「与党修正」による労働者派遣法改正案について、政府は13日に閣議決定し、国会に提出した。昨年の通常国会と昨秋の臨時国会での2度にわたる廃案を経て、「新たな法案」として上程。今国会の労働法制関連で与野党の「対決法案」として注目されているが、昨秋から再々提出までの流れを時系列で整理するとともに、今後の審議を展望した。(報道局)
臨時国会中の衆院解散から今国会提出までの記録
【2014年11月】
12日=安倍首相が外遊から帰国後の19日前後に、衆議院を解散する意向が明確に。これに伴い、派遣法改正案を含む提出法案および審議中の全法案の廃案が確定。
21日=解散、派遣法改正案などが廃案。12月の総選挙で政府・与党が過半数を得た場合、年明けの通常国会に再々提出されることが見込まれる。一方で、廃案までの顛末(てんまつ)の中で注目される動きとして、10月31日の衆院厚生労働委員会が流会する原因となった与党・公明の「修正案骨子」(未定稿)の存在がカギとなり、“3度目の正直”として提出される際に、その取り扱いが政府・与党にとって課題に。
【同12月】
14日=自公で326議席を獲得して圧勝。自公の実務者議員が再々提出を念頭に、公明提起の「修正4項目・6点」を盛り込んだ与党修正の方向で本格的な調整始動。
26日=御用納めとなった同日までに第3次安倍内閣は、年明けの通常国会に与党修正を施した改正法案を提出する方針を固める。また、予算外関連の審議入りが早くても4月以降になることを見越して、これまで提出してきた改正法案の中身のうち、施行期日については「2015年4月1日」を改め、「9月末までの出来るだけ早い時期」に繰り下げる方針を非公式内定。
同時に、法案に一部与党修正が入る場合があっても、その了承を得るための労働政策審議会は開かれない方向で、政治レベルで判断、決着させる形が固まる。
【2015年1月】
30日=自民と公明の政務調査会が、「4項目・6点の修正」を加えることを前提に、26日に召集した今国会に提出することで合意。併せて、与党政調間の合意文には記されなかったが、施行期日は当初の「4月」から「9月」に変更されることが確定。それに沿った法案作成が進む。
【同3月】
3日=公明の厚生労働部会と政務調査会が与党修正を施した、新たな改正法案を了承。
5日=自民の厚生労働部会が同じく改正法案を了承。
5日=議院運営委員会の理事会で重要広範議案に指定される。
10日=自民総務会が改正法案を了承。
13日=政府が閣議決定、即日、衆議院に改正法案を提出。
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派遣法改正案の9月施行に向けた焦点
今国会に政府が提出する厚生労働関係の…
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