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2014年12月29日

厚生労働省政務3役と衆参厚労委の委員構成

塩崎厚労相「時代の変化に合った雇用制度を確立」

is141229.JPG 1月下旬に召集予定の第189通常国会を担う第3次安倍内閣の顔ぶれが決まった。基本的には第2次安倍内閣の閣僚らを続投させており、政府・与党にとっては各種法案が中途半端に終わった先の臨時国会の「仕切り直し」からスタートする。「労働法制の見直し」を中心に、注目度が高い厚生労働省の政務3役と、衆参厚生労働委員会の構成を整理する。(報道局)

厚労省政務3役は全員続投

 厚労省の政務3役は、大臣の塩崎恭久衆院議員、副大臣の山本香苗参院議員と永岡桂子衆院議員、政務官の橋本岳衆院議員と高階恵美子参院議員の5人全員が留任した。12月25日に行われた再任後の記者会見で、塩崎厚労相は「雇用政策は時代の変化に合った雇用制度を確立していく」と強調。前日の組閣後の会見で安倍首相が明言した「雇用などの分野で大胆な規制改革を断行する。改革が後退したり、骨抜きになったりすることは決してない」とした方向性を踏まえて発言した。

 「国会提出→廃案」という流れを2度繰り返した労働者派遣法改正案の早期成立を期すとともに、現在、労働政策審議会で大詰めを迎えている「労働時間法制の見直し」(労働基準法の改正)などが視野に入っている模様だ。

 社会保障や医療保険制度の改革など厚生分野を含めると、課題山積で着手する法案数が多い厚労行政。年明けも巨大省庁をけん引する政務3役5人の手腕が試されることになりそうだ。5人の省内での役割・担当と略歴をみると、まず、トップの塩崎厚労相は日銀出身で、衆院の当選が7回。参院議員も1期経験しており、第1次安倍内閣では官房長官を務めた。厚労相として初の表舞台となった先の臨時国会では、不明瞭な答弁で野党から猛烈な抗議を受ける場面もあったが、労働と厚生の両方で大きな改革や見直しを進める政府方針があるだけに、今後の国会対応が注目される。

 副大臣の2人のうち、主に労働分野を担当するのは山本氏(公明)。01年に比例区から初当選し、現在3期目。京都大学文学部卒で、国会議員になる前は外務省職員。これまでに、経済産業大臣政務官、参議院総務委員長など歴任している。主に厚生分野を担う永岡氏(自民)は、学習院大学法学部卒業。比例・北関東ブロック選出で当選4回。第1次安倍内閣で、農林水産大臣政務官を務めている。

 政務官の2人はいずれも自民。高階氏は参院比例の当選1回。 東京医科歯科大学大学院医学系研究科博士課程後期中退。看護師、保健師でもある。日本看護協会の常任理事を務めていた。橋本氏は岡山4区選出、当選3回。慶大大学院卒、父は元首相の故橋本龍太郎氏だ。

衆院厚労委は野党の構成に変化

 厚生労働に関する法案の実質審議を展開するのは、常任委員会のひとつである衆参の厚生労働委員会。ここで与野党の議論、攻防、駆け引きが展開される。衆院厚労委の定数は45人で、委員長は、臨時国会の途中で法相に就いた上川陽子氏に代わって就任した渡辺博道氏が続投。渡辺委員長は、衆院千葉6区選出の6期目。内閣府大臣政務官、経済産業副大臣、総務委員長などを歴任している。

 臨時国会における派遣法改正案の審議では、委員長職権で委員会を開催する場面が目立っただけに、今後は野党委員との関係づくりと委員会運営の切り盛りが期待される。委員構成では変化があった。総選挙で自公はほぼ横ばいながらも、保守系野党のいわゆる「第3極」が後退し、共産が躍進したため、次の通常国会からは次世代とみんなの委員がいなくなり、共産が1人から2人に増えた。これにより、委員会構成は与党の自民(委員長を含む)28、公明4の計32。野党は民主7、維新4、共産2の計13となった。

 一方、参院厚労委は現状維持で、定数25。委員長は東京都選挙区2期目の丸川珠代参院議員。構成は与党の自民(同)12、公明2の計14人。野党は民主6、維新1、元気1、無所属クラブ1、共産1、社民1の計11人。与党が過半数を維持しているが、衆院厚労委ほどの開きはなく、派遣法改正案などで丸川委員長の差配が注目される。

 

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