11月30日までの63日間を会期とする第187回臨時国会が始まった。メディアが注目している法案のひとつは、労働者派遣法改正案の行方だ。しかし、改正内容の本質や全体像ではなく、表層的あるいは極めて局所的な視点で批判する政党やメディアも一部にあり、今国会では唯一の「与野党対決法案」に位置付けられている。
法案審議はどこまで深まるのか。本格論戦を前に与野党の勢力分布や、「全野党=反対」という単純な構図に収まらない各政党のスタンス、加えて成立後に予定される労働政策審議会における政省令審議の焦点などを整理する。(報道局)
予算委から事実上の“審議入り”状態に
先の通常国会の閉幕から約3カ月。与党の自民・公明に変化はないが、野党には分党や新党、今も再分裂の要素がくすぶっている政党もある。そうした中、政党ごとの派遣法案への賛否をみると、「与党VS野党」とはなっていない。先の通常国会においても、開会から終始与党ペースの国会運営に一矢報いたい背景もあって、条文の「誤記問題」の修正手続き対応に全野党が反発したが、各政党の主張を分析すると「法案そのものに反対」と「この対応での審議入りには反対」に分かれており、「法案反対」で野党が一枚岩になっていたわけではない。
さて、29日現在の…
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