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2011年7月 4日

日本生産技能労務協会会長 清水竜一さん (上)

「認定制度」で業界の認知向上

 日本生産技能労務協会(技能協)の新会長に清水竜一・日総工産社長(50)が5月18日に就任した。同時に、理事長に平山善一・平山社長、副理事長に五十嵐庸公・ジャパンクリエイト社長も選任され、技能協トップ陣は大幅な若返りを実現した。新生・技能協をどうけん引するのか、清水会長に聞いた。  (報道局)

―― 新会長の基本方針を聞かせてください。

shimizu1.JPG清水 これまでと基本線は変わりません。製造請負業界がどう健全に発展し、どう正しく成長していけるか。そのために私たちができることをする。この一点に尽きます。
 ただ、協会発足から20年、社団法人になってから10年が経ち、請負業界を取り巻くマクロ、ミクロの環境は様変わりしています。誰が協会をけん引することになっても、方向性のぶれない活動内容を心掛けたいと思っています。

―― 厚生労働省の委託事業である優良適正事業者の「認定制度」が動き出し、このほど第1陣として日総工産を含む13社が認定を受けました。新しい業界の動きとして注目されています。

清水 製造派遣が解禁されたこともあって、2008年のリーマン・ショックまで、業界はいわばバブル状態にありました。なかには派遣と請負の区別をしない業者、安かろう悪かろうの業者も出てきて、それが業界批判を招く大きな要因になったことは事実です。
 リーマン・ショックに伴う「派遣・請負切り」で業界も大きくへこみ、苦しい時期を過ごしましたが、その過程で不良業者は駆逐され、発注企業の意識もかなり変わってきています。
 災い転じて福となす。業界としても、自らの健全化の努力を社会にアピールし、認知される絶好のチャンスです。その意味で、認定制度は「認定会社でないと、安心して発注できませんよ」という目に見えるサインの意味合いを持っています。

「ガイドブック」でわかりやすく

 どうすれば認定を受けられるか、わかりやすく理解していただくため、「製造請負ガイドブック」の初版を作成しました。これから、国内各地で説明会を開いて認定マークを得るよう、業界企業に努力をお願いするつもりです。
 とりあえずは13社でスタートしましたが、いくらなんでも13社では少な過ぎます。ハードルは下げないで、せめて100社以上には増やし、発注企業の選択幅を広げると同時に、業界全体の底上げを図りたいですね。高まいな理想ではなく、まず足元からできることを地道に積み上げていくつもりです。

―― 発注企業の協力も不可欠ですね。

清水 その通りです。そのため、発注企業にも「認定制度」の趣旨を理解していただくと同時に、労働組合とも連携を始めたところです。メーカーにとっては単なる人件費コストだけでなく、良質な製品を間違いなく作り続けられるかどうかも重要課題です。
 それで掛かる「最適コスト」の実現には、認定を受けた請負企業の活用が最も間違いないと確信しています。認定企業への発注を労組側からもプッシュしていただくよう、私たちの狙いを説明しているところです。 (つづく)

 

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