2014年春闘は12日、第1陣として自動車、電機、鉄鋼などの主要メーカーが一斉回答し、予想通り労組側が要求していたベースアップや年間一時金(ボーナス)は満額かそれに近い回答を出す企業が相次いだ。
自動車ではトヨタ自動車がベア2700円、一時金が6.8カ月で、ベアは要求の4000円に及ばなかったが、一時金は満額回答。ベア実施は6年ぶり。同様に、ホンダも各2200円、5.9カ月を回答した。電機では日立製作所が各2000円、5.62カ月で要求の4000円、5.8カ月には及ばなかったが、やはり6年ぶりのベア回答に踏み切り、ソニーを除く各社のベアは一律2000円の横並び回答となった。
政府は、アベノミクスによる景気回復効果を持続させるには、労働者の賃金アップが不可欠として、昨年暮れの政労使会議などの場を通じ、企業側に賃上げ実施を強く要請した結果、企業側も多くが前向きな回答で応えた形だ。
今回は大企業の正社員が対象であり、中小企業や非正規社員の賃上げはこれから。とりわけ、これまで正社員と非正規社員の給与格差が拡大して社会問題に発展していただけに、春闘の結果がどこまで波及するか注目される。ただ、非正規社員の賃金は、基本的に市場の需給関係で動くことが多く、景気回復の人手不足などでここ1年ほどは上昇基調が続いている。
連合は同日、神津里季生事務局長が「成果を非正規・未組織労働者を含め、すべての働く者の底上げ・底支えの実現と経済の好循環実現につなげなければならない。最後まで手綱を緩めることなく全力を尽くす」との談話を発表した。