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2025年3月25日

【ブック&コラム】『未来のキャリアを守る休職と復職の教科書』

産業医が教えるメンタル不調と休職ガイド

c2503_1.jpg著者・武神 健之
ディスカヴァー・トゥエンティワン、定価1870円

 大手外資系企業20社以上で産業医の任に就き、のべ1万人以上とメンタルヘルス面談を重ねてきた著者が「休むためのガイド」を体系化した1冊。

 土日遊びすぎる人は健康、土曜に休養し日曜は来週に供え体力温存を図る人は要注意、土日の間カーテンも開けずパジャマ姿で過ごす人は受診レベルだと症状をかみ砕いて説明している。心配されがちな休職期間中のお金の問題では、就業規則に定められた有給期間があること、その後も傷病手当が出ること、ただし社会保険負担は生じる事情まで目配りされている。休職後は、休息期・回復期・復職準備期という3段階で職場復帰を試す。それでも再発してしまう場合は、その仕事を辞めれば治ると語り、「仕事(キャリア)と健康どちらが大事ですか?」と問う。

 ストレスの正体、病状・症状のパターン、クリニックの見つけ方、復職判断基準など事前に知識を得ておけば、メンタル不調へ向き合うハードルは下がる。働く本人はもちろん、上司の立場にある方、人事労務担当者の方にも一読をお勧めしたい内容だ。

(久島豊樹/HRM Magazine より)

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