Ｑ 昨年末からマイナ保険証への移行が始まっていますが、マイナ保険証を使わずに医療機関を受診する方法について教えてください。
Ａ 令和６年１２月２日から従来の健康保険証は新たに発行されなくなり、マイナンバーカードの健康保険証利用（マイナ保険証）を基本とするしくみへの移行が進められています。従来の健康保険証は有効期限までの間、最長１年間そのまま使用することができますが、マイナ保険証を保有していない（マイナンバーカードの健康保険証利用登録をしていない）すべて人に対して、現行の健康保険証の有効期限内に「資格確認書」が無償で申請によらず交付されることになります。したがって、当分の間は、マイナ保険証はなくても資格確認証を提示することで、医療機関で必要な医療を受けることができます。資格確認証が交付されるのは、以下の人となります。
・マイナンバーカードを取得していない人
・マイナンバーカードを取得しているが、健康保険証利用登録を行っていない人
・マイナ保険証の利用登録解除を申請した人・登録解除者
・マイナンバーカードの電子証明書の有効期限切れの人
・令和６年１２月２日以降に新たに後期高齢者医療制度に加入された人や、転居等により有効な後期高齢者医療被保険者証を持っていない人（令和７年７月末までの暫定措置）
＜申請により交付する人＞
・マイナンバーカードでの受診等が困難な配慮が必要な人（高齢者、障害者など）であって、資格確認書の交付を申請した人（更新時の申請は不要）
・マイナンバーカードを紛失・更新中の人
＜更新時の申請が不要な人＞
・申請により資格確認書が交付された配慮が必要な人（高齢者、障害者など）
昨年末からマイナ保険証への移行が進んでいますが、従来の健康保険証の有効期限は最大１年間（令和７年１２月１日まで）であり、転居や転職などで加入する保険者が変わる場合などには、これ以前であっても有効期限を迎えた時点で失効することになります。まだマイナンバーカードの健康保険証利用登録をしていない人などには、従来の健康保険証の有効期限内に資格確認書が無償で申請によらず保険者から交付されますので、こちらを医療機関の窓口などで利用することができます。さまざまな事情でマイナンバーカードが作成できていなかったり、マイナ保険証としての登録が完了していなかったり、電子証明書の有効期限の更新が行われていなかった場合であっても、必ず資格確認書によって受診することができますので心配することはありません。
なお、インフルエンザやコロナなどが疑われる発熱外来において、感染症の予防などのリスク管理の観点から、医療機関において窓口での受付ではなく、屋外に待機して受診することが勧められる場合があります。これらのケースでは、マイナ保険証を利用する際のカードリーダーを外部に持ち出すことができないことから、一時的にマイナ保険証が使えなくなることがありますが、このような場合であっても、資格確認書の利用、マイナポータルの画面および資格情報のお知らせの提示、被保険者資格申立書によって受診することが可能であり、原則として医療機関の窓口において自己負担１０割が求められるわけではないため安心したいものです。
（小岩 広宣／社会保険労務士法人ナデック 代表社員）
