メンタルブロックを外して行動するために
著者・有山 徹
アスコム、定価1650円(税込)
自分はこのままでいいのだろうか......と悩める勤労者に向けてキャリア開発の知見とアドバイスを綴った1冊。ベースにあるのは「プロティアン・キャリア理論」(勤労者自身がキャリアを見つけ歩みを進める方法論)だと著者は説明する。
何になりたいのか? と職業を並べてみても選択肢の多さに圧倒され判断がつかず、結局「不満はないけれど満足はしていない」現状維持に流れてしまうジレンマを指摘し、その状態から抜け出すアクションを順序立てて解説している。キーとなるのは「なぜ」「誰と」「いつまで」という働くことへの3つの問いだ。自分のストーリーを「言語化」し、謙虚すぎずに他者からの評価を素直に受け入れ、自分の武器を「価値化」し、考えすぎずに試行錯誤してみる「行動」を促す。
過去は変えられないが、今から変化していくことは可能だと述べ、キャリアオーナーシップのグリップを握るよう訴える。特に行動を妨げる5つのメンタルブロックをクリアしていくアクションのガイドは読者にとって心強い支援になりそう。
(久島豊樹/HRM Magazine より)