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2025年1月14日

【ブック&コラム】『発達障害グレーゾーンの部下たち』

周りの人はどう接すればいいのか?

c2412_2.jpg著者・舟木 彩乃
SBクリエイティブ、定価1050円(税込)


 「空気が読めず他者を傷つける」「曖昧な指示に対応できない」「ミスや忘れ物が多く、何度注意されても改善しない」といった発達障害の傾向を持ちながらも医療の診断にまでは至らないグレーゾーンの人たちの課題を、カウンセラーの著者が一般向けに説き起こす。

 学生時代は成績優秀で、"浮き気味のキャラ"も個性として容認されてきたのに、社会に出て組織的な振る舞いが求められるようになってから問題化するケースが多いと典型例を挙げる。一方、発想力・独創性、特定分野での集中力、行動力、突き抜ける力といった優れた特徴も認め、そうした本人の個性や能力を引き出せる環境であるなら、あえて「発達障害」という疾病にカテゴライズする必要はないだろうとも述べている。

 豊富なカウンセリング事例を匿名化して紹介しつつ、「周りはどうしたらいいのか」にウェイトを置き、現実に起きている「困りごと」の解決・緩和策を導くスタンスゆえ、特に人事や管理職の方にとっては具体的なサポートの方法を知ることができ、理解も進むだろう。

(久島豊樹/HRM Magazine より)

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