脳の働きを知り、やる気を引き出す
著者・田中 伸明
クロスメディア・パブリッシング、定価1628円(税込)
東京のオフィス街でメンタルクリニックを開く脳神経内科医の著者は「やる気が出ない」という患者たちの訴えから共通するポイントを見出し、本書に対策を整理していく。
「目標の立て方」「口ぐせ」「仕事の習慣」「上司」「朝の過ごし方」「体調管理」の6章・計38テーマで「(やる気が出るのは)どっち?」と選択を問いかける構成。例えば、低い目標か高い目標か、あいつが悪いか自分が悪いか、偉人伝を読むかマンガを読むか、リモートか対面か、明るい上司か公正な上司か、といった二択を手がかりに脳の機能をひもといていく。ただ、その二択の設問に正解・不正解はなく人それぞれ、状況次第であるとも語る。
脳は失敗した記憶に引きずられて頑張らないようブレーキをかける傾向があるので、成功体験で塗り替えればやる気に結びつくとされる。また、「○○(仕事を達成)したら△△する(ご褒美を得る)」という脳が喜ぶリストを用意して実践していくのも状況を好転させる手段だと提案するなど、やる気を引き出す数々のアドバイスを盛り込んでいる。
(久島豊樹/HRM Magazine より)