コラム記事一覧へ

2024年8月20日

【ブック&コラム】『社会人3年目までの、ほめられる技術』

失敗して叱られて成長するために

c240820.jpg著者・原 邦雄
ぱる出版、定価1650円(税込)


 ほめて育てる「ほめ育」を提唱し、企業の人材育成を支援する著者は、20代のうちに"ほめられ貯金"を積んでおこうと入社3年目までの若者たちを諭す。ただし、"よかった、上司・先輩は私をほめてくれるんだ"と受け身でいると、その甘えは吹き飛ばされるだろう。

 「ほめると叱るはセット」と語られている通り、本書の実質は、叱られて学習して成長していく主体性へのアドバイスにある。たくさん行動し、思い切り失敗し、大いに叱られ、反省を刻み、学習を重ね、ほめられる存在になるというサイクルが許されるのは入社3年目まで。だから定時退社後も、興味を持って周辺領域の学習を進めるなど前向きな行動があっていいと述べ、「ワークライフバランス」は入社4年目以降の課題だと言い添えている。挨拶・時間厳守は当たり前、事前リサーチなど先周り行動を心がけ、同期メンバーとは傷をなめ合うのではなく切磋琢磨する関係でありたいと訴える。

 叱られてふてくされたり反論を試みたりしている場合ではないと気づいた若手読者は成長するはずだ。


(久島豊樹/HRM Magazine より)

PAGETOP