コラム記事一覧へ

2024年7月18日

小岩広宣社労士の「人材サービスと労務の視点」236・職場における熱中症予防情報

Q 今年も本格的な夏を迎えましたが、このところ年々、夏の暑さが酷くなってきていますので、心身の健康を保つ上でも気が抜けない季節だといえます。職場における熱中症対策としては、具体的にどのようなことに留意すべきでしょうか。

koiwa24.png 高温多湿な日本の夏は、熱中症の予防・対策についても、特に厳重な注意が必要となります。そもそも熱中症とは、高温多湿な環境に長時間いることで、体温調節機能がうまく働かなくなり、結果として体内に熱がこもったままになる状態のことを指します。

 症状としては、めまい・失神、筋肉痛・筋肉の硬直、大量の発汗、頭痛・気分の不快・吐き気・嘔吐・倦怠感・虚脱感などが襲い、ひどくなると、意識障害・痙攣・手足の運動障害、高体温などが現われることもあります。

 熱中症は屋外で作業しているときに発症するイメージが強いですが、室内にいて何もしていないようなときでも発症することがあり、ときに救急搬送されたり、最悪の場合には死に至ることもあります。

 職場で、熱中症が疑われる人を見かけた場合には、その人の状態やその場の環境などを十分に考慮した上で、次の手順で応急処置を行うことが求められます。

・意識を確認する
→意識がはっきりしていなければただちに救急隊を要請する

・意識がはっきりしている場合は、涼しい場所(エアコンの効いた室内、風通しの良い日陰など)へ避難させる

・衣服をゆるめ、からだを冷やす(特に首の回り、脇の下、足の付け根など)

・水分・塩分、経口補水液(水に食塩とブドウ糖を溶かしたもの)などを補給する
→この際、自力で水分がとれなければ、ただちに救急隊を要請する


 なお、厚生労働省のサイト「職場における熱中症予防情報」では、多方面にわたる情報が満載されていますので、安全衛生教育の一環としても、積極的に参考にしたいものです。

 熱中症について正しい知識を身につけることで、体調の変化に気をつけるともに、部下や同僚など周囲にも常に気を配り、職場で一丸となって熱中症による健康被害を防いでいきましょう。


職場における熱中症予防情報


(小岩 広宣/社会保険労務士法人ナデック 代表社員)

PAGETOP