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2024年7月 9日

【ブック&コラム】『定年前と定年後の働き方』

シニア以降サードエイジの働き方を提案

c2306_2.jpg著者・石山 恒貴
光文社、定価946円(税込)


 50代以降の個人を「シニア」と定義づけ、その働き方を探る研究者の手による考察だ。個人にこだわるのは,中高年をステレオタイプで捉え、悲観的に見るマスコミの扱いに実態との乖離を覚えるからだという。

 シニア自身には、情熱・動機・強みをもとに主体的に職務を再創造するジョブクラフティングを説く一方、企業側には無意識のエイジズム(年齢差別)に注意を促し、権限委譲、定年延長、定年廃止、60歳からの新規雇用などに取り組む好事例を報告している。個人の活動を人生の時間軸で切り分け、現役期間のセカンドエイジと、シニア以降のサードエイジの行動・意識の違いを整理。サードエイジはより自由に就労、ボランティア、学習活動、趣味などに挑める期間だと捉え直す。その前提で50代からの準備を推奨し、60歳・65歳は通過点に過ぎず、定年前・定年後は分断せず連続して思考してはどうかと提案している。

 また、具体的な働き方では、フリーランスや時間・空間・スキルを組み合わせるモザイク型就労を挙げ、読者の選択肢を広げてくれる。

(久島豊樹/HRM Magazine より)

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