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2024年5月 2日

小岩広宣社労士の「人材サービスと労務の視点」225・マイナ保険証への切り替えについて

Q 今年の12月から今の健康保険証は使えなくなり、マイナンバーカードに切り替わると聞きましたが、具体的にはどのような流れになりますか。

koiwa24.png 令和6年12月2日から現行の健康保険被保険者証は発行されなくなり、マイナンバーカード(マイナ保険証)に切り替わることが発表されています。厚生労働省は以下のようにリーフレットで注意喚起しています。

本年12月2日から現行の健康保険証は発行されなくなります

 ただし、「12月2日時点で有効な保険証は最大1年間有効です」とされているように、同時に現在の保険証が使えなくなるわけではなく、手元にある有効な保険証は、12月2日以降、最長1年間(令和7年12月1日まで)使用することが可能です。12月に向けて必ずしも慌てる必要はありませんが、マイナ保険証に移行することのメリットや万が一紛失の場合などのリスクなどを考えて、なるべく早くに移行しておくことが大切でしょう。

 なお、12月2日の段階でマイナ保険証を保有していない場合は、特に手続きをとらなくても「資格確認書」が交付されるため、引き続き、保険診療を受けることができます。また、マイナ保険証を紛失した場合などは、保険者に手続きを行うことで「資格確認書」の交付を受けることができます。したがって、12月2日から1年間は、マイナ保険証、資格確認書、従来の保険証の3種類が混在することになります。

 厚生労働省によれば、マイナ保険証には次の5つのメリットがあるとされています。

①医療費が20円節約できる
②マイナポータルで医療費控除申請が簡単にできる
③手続きなしで高額療養費制度の限度額を超える支払いが免除される
④電子処方箋により飲み合わせの悪い薬の処方をチェックができる
⑤過去に処方された薬情報の共有により事故や災害時でも対応できる


 マイナ保険証を活用することで医療費控除や高額療養費などの手続きが簡略化・省略されることになり、電子版お薬手帳との連携によって医療機関・薬局で交付された薬剤の記録を一括管理することができるため、将来的には健康保険制度を活用するすべての人にとってメリットが共有できる仕組みだといえるでしょう。

 マイナンバーカードを健康保険証として利用するためには、まずマイナンバーカードの申請手続きを行った上で、マイナンバーカードを健康保険証として登録する利用登録を行う必要があります。利用登録の方法としては、医療機関・薬局の受付(カードリーダー)、マイナポータル、セブン銀行ATMの3つの方法がありますので、利便性の高い方法で手続きを済ませておきたいものです。


マイナ保険証をご利用ください―本年12月2日から現行の保険証は発行されなくなります


(小岩 広宣/社会保険労務士法人ナデック 代表社員)

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