管理職を救う打ち手はあるか?
著者・小林 祐児
集英社インターナショナル、定価1012円(税込)
かつてと比べて管理職の負荷は増大し、今や「罰ゲーム」の様相だと語る著者は、日本中の職場で起きている「管理職罰ゲーム化」の惨状につき、データを基に解析を試み、構造を捉え、修正の処方を本書に提案する。
数十年の変化では、成果主義と組織フラット化が転機になったと俯瞰する。管理職の数が減少し、メンバーとの賃金差が縮小し、多様性、パワハラ防止、年上部下への配慮のほか、働き方改革のシワ寄せが管理職にのしかかっていると現場を捉える。対して、人事・経営に向けては、管理職研修など"スキル不足を筋トレで補うような発想"は誤りだと認識ギャップを指摘。①フォロワーシップ(部下・メンバーの側の課題)、②ワークシェアリング(役割定義の再考・権限移譲)、③ネットワーク(管理者同士の交流機会)、④キャリア(リーダーの早期絞り込みとスペシャリストの蓄積)という4つのアプローチを挙げて、打ち手を具体的に掘り下げている。
まずは、ご自身・自社の状態を把握する「罰ゲーム化兆候チェックリスト」から試したい。
(久島豊樹/HRM Magazine より)