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2024年3月 5日

【ブック&コラム】『「AIクソ上司」の脅威』

上司がAIで武装すると......

c2402_2.jpg著者・鈴木 貴博
PHP研究所、定価1034円(税込)


 自動車産業に象徴されるようにAIは世界を変えつつあり、今後、日本の社会も大きな影響を受けると本書は予測する。今はおもちゃのようにChatGPTを面白がっていても、2030年頃にはホワイトカラーの強力なアシスタント機能を担うとされる。

 ただ、AIが人間を支配するとか、AIに仕事を奪われるという捉え方は誤解だとも強調する。勤労者にとって(あるいは中長期的に日本経済にとって)脅威となる存在は、AIというパワードスーツを得た(それまで凡庸だった)上司だと指摘。AI自体は意思を持たず、それを使いこなす上司が、自分にとって有利な状況を定義し、対立相手を隙なく言い負かし、自分にとって都合のいいリストラを進める危険な「AIクソ上司」になると警告する。

 近いうちに世界は、決断力の傑出したイカれた天才経営者たち「イーロン・マスク軍団」と、関係者とのすり合わせを好み既得権益を隙なく固める「AIクソ上司軍団」との最終決戦に至ると予言している。果たしてその結末は? そして、我々はどこを向いていかに生き延びるべきなのか?。

(久島豊樹/HRM Magazine より)

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