どこを強化すべきかを知るために
著者・橋本竜也
幻冬舎メディアコンサルティング、定価1650円(税込)
経営コンサルティングの現場で苦労を重ね、その経験から導き出したチームパフォーマンス向上アプローチの手法を公開した1冊。
前半のリーダー論では、指示・管理型の限界を指摘し、自律型・支援型が求められる構造変化を説き明かしている。後半ではチームパフォーマンスの向上に影響する要素を分解し、「自己向上行動」と「チーム向上行動」4項目ずつの「8つの主体的行動」と、「9つの心理的要因」(①目標共有、②心理的安全性、③チームへの愛着、④メンバー信頼、⑤チャレンジ精神、⑥仕事のやりがい、⑦プロセス重視、⑧顧客重視、⑨チーム貢献への自信)を整理。さらに要素間のマトリクス対比から相互の関係性を分析し、機能不全状態に陥ったチームに対し何を見てどこを強化すべきかを具体的に把握できるようツール化を試みている。
実際、スコアリングできる質問票と選択肢(配点分布)が掲載されているので、チーム単位でのトライアルも可能だ。分析結果を13段階のイラストで可視化し効果を高めた実践例報告も面白く読める。
(久島豊樹/HRM Magazine より)