エンゲージメント格闘物語
著者・中塚 敏明
クロスメディア・パブリッシング、定価1958円(税込)
ITエンジニアを派遣する会社を立ち上げ、業容拡大を図ってきた著者がマネジメントの試行錯誤を自ら本書に語る。
業績が伸び続ける一方で「離職率40%」という異常事態を経験し、実態を知ろうとエンゲージメントサーベイを実施したところ、スコア(偏差値)は「47.8」に留まっていたと明かす。そこで一念発起し様々な策を打ち出した結果、一般従業員のスコアは改善したが、今度は"寄り添い型"のマネジメントに疲弊したプレイングマネジャーたちが次々に退職し業績が悪化してしまう。「従業員満足度とエンゲージメントスコアを混同した」との反省を経て、やがて能力開発を人事制度にひもづけデータを一元化し、仕組みで進める「スキルマネジメント」に行き着く。
エンゲージメントスコア「71.5」を獲得するまでの格闘物語と同時に、「MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)」「KGI・KPI・MBO」「社会人基礎力」「コンピテンシー」「1on1」「パーパス経営」等を知識ではなく現場で実践しているモデルケースとしても注目しておきたい。
(久島豊樹/HRM Magazine より)