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2022年9月13日

【ブック&コラム】金利政策は死んだ?!

 物価上昇が止まらない。輸入物価の上昇などで国内の消費者物価は4月から毎月2%以上上がり続けている。電気、ガス、ガソリンなどのエネルギー価格に加え、加工食品など日常生活の必需品は今秋からの値上げが本番という。
 
sc220620.jpg 長年に及ぶデフレのお陰で、私たちは物価上昇とは無縁の世界にいたから、このところの値上げラッシュにはかなりあわててしまう。そう言えば、「100円ショップ」に行っても、100円で買える商品はめっきり減ったし、回転ずしの「1皿100円」メニューはほとんどなくなったようにみえる。

 「なに、給料がそれ以上上がれば問題はない」。政府・日銀の皆さんは、そう考えているフシがある。確かにそうかもしれないが、その給料が物価以上に上がっているかどうか、まことに心もとないのが実態だ。今のところ、実質賃金はマイナス続きであり、どうみても"健全な"インフレ状態にはほど遠い。それが見えないのか、見て見ぬふりをしているのか。

 なぜ、金利引き上げや円安阻止などの物価抑制策を取らないのだろうか。おそらく、取らないのではなく、取れないのだろう。政府が発行している国債の利払い(国債費)が膨らむからだ。金利の1%上昇で国債費が3.7兆円膨らむという財務省の試算もある。22年度末の国債発行残高は1026兆円余の巨額に達する見通しだから、金利が上がって一番困るのは政府なのだ。長年のマクロ政策のひずみが一気に噴き出た感がある。「貧困家庭に5万円支給」だって?その程度のアイデアしか浮かばないのか。(典)

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