「働き方改革」をリアル目線で解説
著者・大槻 智之
青春出版社、定価1650円(税込)
500社以上の経営者・人事担当者と接し、年間7000件に及ぶ労務相談が寄せられる社労士法人代表の著者が、働き方改革をうまく進めるコツを明かした1冊。法定労働時間と36協定、休日・休暇といった労基法の基礎解釈に続けて、働き方改革関連法の3つのポイント(①残業時間の上限規制、②年休取得の義務化、③高度プロフェッショナル制度の新設)を詳述している。
さらに同一労働同一賃金、社内フリーランス(個人事業主化)、ジョブ型、副業等「新・雇用形態」の課題に着目し、メリットとリスクを検討。ハラスメントを巡っては、LINE活用による圧迫や会社での婚活といった「新型セクハラ」の動向も追う。また、ブラック社長のタイプを4分類して(①理念最優先、②結果がすべて、③無関心、④突き抜けた社風)、パワハラ防止法の意味とリスク回避策を提案している。
著者自身のテレワーク事情(乳幼児のいる家庭のリアル)も開示しながら労働時間の窮屈さに触れるなど等身大の課題が挙げられているので、身近なところから知識理解が進みそうだ。
(久島豊樹/HRM Magazine より)