戦力外通告を受ける前に
著者・郡山 史郎
青春出版社、定価1045円(税込)
超一流企業の役員を退任後、人材紹介会社を起業し、5000人以上の定年退職者の再就職を支援してきた著者は国の進める70歳定年制度を「天下の愚策」と批判する。定年年齢だけを引き上げても、企業にはシニアを抱え込む体力がないので事実上の「追い出し」が加速するだけだと語り、その先に、再就職先が見つからずに苦しむ人、適職を得て幸せに暮らせる人の間で「定年格差」が顕在化すると憂う。
ただ、最も重要なのは個々のシニア自身がどうするかであり、気力・体力の衰えが始まる45歳を折り返し地点と定め,後半戦の準備を進めるべきだとアドバイスをまとめている。すなわち、後半戦は金や出世を追う必要がなく、誰かを蹴落とす競争も不要だと仮定し、好きなこと・楽しいこと・幸せに働けることに価値を置き、誰かの役に立つ共存社会で生きるキャリアを提案する。
そのためには戦力外通告を受けてから「さて、どうしよう」では遅すぎ、早い段階からマインドセットの切り替えも不可欠だと明かしたうえで、成功する10の条件を整理している。
(久島豊樹/HRM Magazine より)