最近、「消えゆく皆勤賞」という新聞記事を読んで、複雑な気持ちになった。皆勤賞は学校を1日も休まずに登校した、「真面目」で「健康」な児童・生徒に贈られる賞。それが、「体調が悪いのに、無理して登校するのはいかがなものか」「いじめに遭うのがわかっているのに、登校させるのは問題」など、学校現場の実態と意識が大きく変わってきたことが背景にあるという。う~ん。
実は、私は小・中学校の9年間を休まず、皆勤賞をもらった1人。小学校時代に集団赤痢がはやって私も感染して隔離され、1カ月近く休校になったが、欠席にはならなかった。中学校時代には大雪や地震などで休んだが、それも欠席扱いにならなかった。そんな"幸運"も重なって皆勤賞の栄誉に浴したわけです。集団赤痢では学校自体が隔離施設になったので、後になって「お前は、よほど学校が好きなんだな」と感染を免れた友達に皮肉られた。
風邪を引いたり、お腹の調子が悪くなるといったことは度々あったが、大体は薬を飲んで登校するうちに治っちゃった。いま思えば、丈夫な体に産んでもらった親に感謝するしかない。「もっと頭のいい子に産んでほしかった」などと文句を言ったらバチが当たる(さんざん思ったものだが)。卒業証書以外の賞状は皆勤賞だけだから、私にとってはひそかな誇りだった。
それが、時代の流れとともに消えて行く。あれやこれやの事情を聞けば、致し方のないことなのだろう。あと10年もすれば「そんなバカな賞があったんだ」と言われるかもしれない。そういえば、社会人になりたての二日酔いの朝、休もうと思って会社に電話したら、「はってでも出てこい」と先輩に怒られた。これも、皆勤賞に通じる「昭和」の一コマ?(本)