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2021年8月 3日

【ブック&コラム】『問題社員の正しい辞めさせ方』

太陽方式による退職勧奨とは?

c2105000.jpg著者・新田 龍
リチェンジ、定価1980円(税込)


 素行不良や能力不足の問題社員であっても、労基法と解雇権濫用法理によって解雇が難しい事情を共有したうえで、本書は「退職勧奨」という手段を会社に提案している。

 その手法をさらに2つに分類。1つは「北風方式」と呼び、①事実のヒアリング、②書面による注意、③人事異動・配置転換、④懲戒処分、⑤退職勧奨というステップを踏んだオペレーションを解説している。もう1つは「太陽方式」と名付け、①棚卸し、②振り返り、③指摘、④徹底指導というステップで、心底から本人の更正と改善を願い、本腰を入れて徹底的に向き合う働きかけを紹介している。とりわけ太陽方式では、会社を困らせたいだけの問題社員は自ら辞めていき、悪意のない能力不足の社員は、気づきを得て成長する(問題社員ではなくなる)事例を挙げ、メリットを強調する。

 また、最終章では、良好な労働環境が機能していれば問題社員を採用するリスクは避けられ、「いい会社」を目指せば、ブラックユニオンの介入も防げると、原点に立ち返った予防策をまとめている。

(久島豊樹/HRM Magazine より)

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