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2021年7月15日

小岩広宣社労士の「人材サービスと労務の視点」80・健康保険・厚生年金の被保険者氏名・住所変更届の手続き

Q 社会保険の被保険者氏名・住所変更届の手続きが変更となり、原則として提出が不要になったと聞きました。具体的にはどのような内容ですか。

koiwa1.png 健康保険・厚生年金保険の被保険者が氏名や住所を変更したときは、従来は日本年金機構に対して被保険者の氏名変更届・住所変更届の提出を行ってきましたが、マイナンバー制度の導入により平成30年3月からこの手続きは原則として不要となりました。マイナンバー制度を活用することで、地方公共団体システム機構(J-LIS)に情報照会を行い、被保険者の氏名が変更された際には、新しい氏名の記載された被保険者証(以下、保険証)が自動で発行され、原則として毎月下旬頃に事業所に届くことになります(同時期に他の被保険者の入社や扶養の異動、氏名変更などがあった場合は、その保険証も同封されてきます)。

 婚姻、離婚、養子縁組、氏の変更などによって氏名が変更されたときは、原則として被保険者や事業主が何も手続きをしなくても、新しい氏名に変更された保険証が届きますので、事業主は本人から旧保険証を回収して日本年金機構まで返送することになります。新しい保険証が届いてから1か月程度経っても被保険者から旧保険証が提出されないなどの事情で新旧の保険証の交換ができない場合は、送付状にその理由などを記載して保険証を返送しなければなりません。この場合の送付状の書式はけんぽ協会のホームページなどにも掲載されていますので、参考にしたいものです。

 なお、被扶養者についてはマイナンバーによる氏名変更の届出省略は行われないため、婚姻や出産などで家族に異動があったり、収入の変化などによって被扶養者に増減があったような場合は、従来同様に被扶養者異動届により変更の届出を行わない限り、新しい保険証が自動発行されることはありません。また、マイナンバー制度によって情報連携が行われていることから、被保険者であっても70歳以上の人やそもそもマイナンバーを届出していない人については、制度上、氏名変更・住所変更の届出省略ができない場合があります。すべてのケースで新しい保険証が自動発行されるとは限りませんので注意しましょう。

 令和3年からは一部の医療機関・薬局でマイナンバーカードの保険証としての利用がスタートし、順次利用できる医療機関・薬局が拡大され、マイナポータルでの特定健診等情報、薬剤情報、医療費通知情報などの閲覧が開始されるなど、利用場面が拡充されることが決まっています。これからはマイナンバーと社会保険とが実務的にも一体不可分の時代となりますので、大切なマイナンバーについての意識を今まで以上に高めていきたいものですね。

「健康保険・厚生年金保険の被保険者の氏名変更・住所変更の手続きが変わりました!」


(小岩 広宣/社会保険労務士法人ナデック 代表社員)

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