組織から離れるタイミングとは?
著者・中山 てつや
幻冬舎メディアコンサルティング、定価880円(税込)
バブル期少し前の日系企業を振り出しに、外資を含む様々な職場を経験してきた著者は、"上司との相性"に焦点を当て、しばし職業人生の来し方・行く末に思いを巡らせる。さらに実質的な人事権は人事部ではなく直属の上司にあるとの因果律を見つけ、相性の悪い上司と組んでしまった場合のサバイバル術を前半にまとめている。
ただ、表層的なテクニックを読者にレクチャーするのが本書の趣旨ではないようで、後半では、生き方の自問自答プロセスに重ねてライフキャリアプランの形成にアドバイスのウェイトを移している。すなわち、定年に関わらず、人それぞれ遅かれ早かれ組織から離れるときは来るとマクロで捉え、その先、何をして生きていくかはそれまで蓄積した経験に基づく"ひらめき"を待とう、と諭す。
組織から解放されてやりたいことを実行する期間「ゴールデンステージ」は「自己を再発見し、自立して、自由に活動する」3つの「自」がポイントになるとまとめたうえで、あとは自己責任で楽しんではどうかと誘っている。
(久島豊樹/HRM Magazine より)