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2021年3月11日

小岩広宣社労士の「人材サービスと労務の視点」62・派遣法省令・指針の改正⑥

Q 令和3年の派遣法省令改正のうち、4月から施行されるマージン率等のインターネットでの情報提供とは、具体的にはどのような内容ですか。

 派遣元事業主は、労働者派遣事業を行う事業所ごとのマージン率や派遣労働者の実績、教育訓練計画など、あらかじめ関係者に対して知らせることが適当である事項について情報の提供を行わなければなりません(派遣法23条5項)。情報提供の方法については、現在は以下の3つの方法に分けられています。

改正前 改正後
派遣労働者の数
派遣先事業所の数
派遣料金の平均額
派遣労働者の賃金の平均額
その他派遣事業の業務に関し参考となると認められた事項(福利厚生、マッチング状況等)
事業所への書類の備付け、インターネットの利用その他の適切な方法により提供する 情報提供の義務があるすべての情報について、インターネットの利用その他の適切な方法により情報提供しなければならない
雇用安定措置を講じた人数等の実績
教育訓練計画
インターネットの利用その他の適切な方法により関係者に対し情報提供することが望ましい
マージン率
協定の締結の有無など
常時インターネットの利用により広く関係者とりわけ派遣労働者に必要な情報を提供することを原則とする

koiwa1.png このように3つの方法は複雑で分かりづらいため、4月の改正で一本化されることになります。改正後は、上記の情報提供のすべての内容を原則としてインターネットなどで公開することが求められます。通常は自社のホームページなどに掲載することになりますが、対応が難しい場合は、厚労省の「人材サービス総合サイト」を活用して、PDFへのリンクを張ることもできます。ホームページへの公開が間に合わなかったり、許可取得直後などで対応が難しかったりする場合などは、有効に活用したいものです。


(小岩 広宣/社会保険労務士法人ナデック 代表社員)

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