「語り合う場」の運営ノウハウを公開
著者・スコラ・コンサルト
同文舘出版、定価1600円+税
答えを求めず、お互いをさらけ出して共有する対話の場「オフサイトミーティング」の重要性および運用ノウハウを解説した良質なガイドブックだ。
時間効率を最優先する会議ばかりではなく「本当は話したほうがいい重要なことを誰もが話せる場」も必要ではないかとミーティングの趣旨を強調。日頃の役職を外しフラットな立場で発言する機会を経て、社員が自分たちで方向性を作っていくことができれば、業務改善も進み業績も向上すると述べ、企業事例を挙げてエビデンスを示しいている。
ミーティングの実際では、当たり障りのない「安定」、違いが明らかになる「混沌」、認め合う「相互理解」、共に考えながら動く「共創」という4段階のプロセスをたどるとされ、とりわけコーディネーターの役割を重視する。仕切りすぎず、誘導しすぎない原則を維持しつつ、"話が長い""やたらネガティブ""ロジカルに批判的""沈黙ばかり""対立激化"といった「困った人対策」「困ったシチュエーション対策」にも目配りできるよう、対処法を盛り込んでいる。
(久島豊樹/HRM Magazine より)