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2020年8月 4日

【ブック&コラム】『全員を戦力にする人財育成術』

強い企業の"義務教育"の仕掛け

c2007_3.jpg著者・有本 均
ダイヤモンド社、定価1500円+税


 ハンバーガー大学・ユニクロ大学を手掛け、外食産業各社の役員を経て独立。数々の企業支援を展開中の著者が人財育成のノウハウをまとめた1冊。

 教育・評価・労働環境の3つが整備されていれば人は辞めなくなるという独自の法則を前提に、入社した全員を人財に育てていく"義務教育"の進め方を公開している。とりわけキモとなるのは「仕組み化」と「グローイング・サイクル」とよばれる4要素(①基準を示す、②教える、③要求する、④評価する)の運用だ。研修のやりっ放しでは、人の成長も経営の成果も得られないと断言し、教育・評価の両輪運用による体系化を力説している。また、均質サービスの徹底という事業戦略性を確保するうえで、上司任せの属人化を警戒し、会社が求める行動の明記と、評価者の目線を合わせる評価会議の実施は不可欠だと述べている。

 実際に仕組みを取り入れ"会社が変わった"3社の成功事例を紹介し、最終章では要点を39のTIPSで念押し。マクドナルドやユニクロの人財力がなぜ強いのか、その核心が理解できる。


(久島豊樹/HRM Magazine より)

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