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2020年7月14日

【ブック&コラム】『女性リーダーが生まれるとき』

「ひと皮むける」条件とは?

c2007.jpg著者・野村 浩子
光文社、定価900円+税


 日本企業の女性役員10人の取材を通じて「一皮むけた経験」の解明に挑む1冊。クオーター制を導入するドイツの事情、および米国シリコンバレーの女性エグゼクティブたちへのインタビューも併載して活躍支援のヒントを探っている。

 登場する10人のキャリアはいずれも起伏に富んでいる。部下全員が年上の男性だったり、部長職を解任されたり、工場閉鎖の矢面に立ったりと、図解で可視化された軌跡は"山あり谷あり"そのもの。どこかの段階で「コンフォートゾーン」(居心地のいいポジション)を抜け出す決断をしている点も共通していて興味深い。

 女性役員を増やす取り組みはすべての働く女性の環境整備につながると確信する著者は、事例の考察から「ひと皮むける」ためのポイントを5つに整理(①初期段階で仕事を任せてくれる上司、②海外赴任・転勤もいとわない経験、③修羅場体験、④目をかけ引き上げてくれるメンター・スポンサーの存在、⑤ガラスの壁も天井もない社風)。加えて、未来に向けたポジティブアクションの指針を提案している。


(久島豊樹/HRM Magazine より)

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