自分だけの適職を絞り込む方法論
著者・鈴木 祐
クロスメディア・パブリッシング、定価1480円+税
サイエンスライターの著者は、従来より個人的体験や嗜好で語られがちなキャリア論を廃し、心理学の知見を活かして"自分だけの適職"を見つけるための方法論を本書に綴っている。
まず、適職を「(自分の)幸福が最大化される仕事」と定義。そのうえで、①仕事選びの7つの大罪(好きを仕事に、給料の多い仕事を、楽な仕事を、性格テストで、適性にあった...等)、②幸福度を決める7つの徳目(自由、達成、明確、仲間、貢献...等)、③幸福を破壊する8つの悪(長時間労働、雇用の不安定、コントロール権のなさ...等)という3つの物差しを示し、メリット・デメリットの整理を経て、候補企業(仕事)をマトリクスで絞り込んでいく手法を提案している。また、転職以前の段階で抱えがちな"自分はこのままでいいのだろうか"という迷いに対してはジョブクラフティングによる捉え直しを介した仕事観形成のヒントを提供する。
人間の脳は間違えるという前提で、職業生活を多角的に切り分けていくアプローチは斬新であり、面白く読めそうだ。
(久島豊樹/HRM Magazine より)