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2020年1月16日

小岩広宣社労士の「人材サービスと労務の視点」3・比較対象労働者の「主な待遇」とは?

Q 派遣労働者の「同一労働同一賃金」について派遣先均等・均衡方式を採用した場合、派遣先が派遣元に比較対象労働者の待遇内容を通知することになりますが、この場合の「主な待遇」とは何を示していますか。

koiwa1.png 比較対象労働者の待遇のそれぞれの内容について、法令では昇給と賞与が示されていますが(派遣法施行規則第24条の4第1号ハ)、具体的にはガイドライン(短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針、平成 30 年厚生労働省告示430号)に定められた待遇を指します。

 この点について昨年12月26日に公表された「派遣先均等・均衡方式に関するQ&A」では、昇給や賞与に加えて役職手当、精皆勤手当、時間外手当、通勤手当などガイドラインで定められた待遇が該当するとの解釈が示されています(問1-12)。具体的には以下の内容になります。

基本給 ・基本給
・昇給
賞与 ・賞与
手当 ・役職手当
・特殊作業手当
・特殊勤務手当
・精皆勤手当
・時間外労働手当
・深夜・休日労働手当
・通勤手当・出張旅費
・食事手当
・単身赴任手当
・地域手当
・住宅手当
・家族手当
福利厚生 ・福利厚生施設(食堂・休憩室・更衣室)
・転勤者用社宅
・慶弔休暇・健康診断等に伴う勤務免除・有給保障
・病気休職
・法定外年休・休暇
退職金 ・退職金
その他 ・教育訓練
・安全管理に関する措置・給付

 なお、退職手当、住宅手当、家族手当についてはガイドラインに「原則となる考え方及び具体例」が示されていません。不合理な待遇の解消が求められることに変わりはありませんが、パート・有期労働法や裁判例などの動向を見据えた実務対応に留意していきたいものです。


(小岩 広宣/社会保険労務士法人ナデック 代表社員) 

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