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2019年12月19日

中宮伸二郎社労士の「労務の心得」51・労働契約締結及び派遣開始時の待遇に関する措置の説明

Q 派遣社員に対する待遇に関する説明とは、いつ何をどのように説明すればよいのでしょうか。

nakamiya03.png 派遣社員を雇い入れようとする時(労働契約締結時)と派遣を開始しようとする時(派遣開始時)それぞれのタイミングで、派遣社員に対して待遇に関する措置について説明しなければなりません。初めて労働契約を締結するときはもちろん、労働契約更新の際にも説明が必要です。また、派遣契約が更新された際も同様にその都度説明しなければなりません。

 説明の方法は、派遣社員が、内容を理解できるよう、書面を活用し口頭によりおこなうこととされています。また、派遣社員が内容を的確に理解することができるようにするという観点から、説明に活用した書面を交付することが望ましいとされています。労使協定方式の具体的な説明方法として、労使協定の周知を兼ねて労使協定の概要文書を交付し、労使協定の内容を説明することが考えられます。

説明事項

「派遣先均等・均衡方式」の場合 均衡待遇の対象となる派遣社員については、派遣先の通常の労働者との間で不合理な相違を設けない旨をいうこと。均等待遇の対象となる派遣社員については、派遣先の通常の労働者との間で差別的な取扱いをしない旨
「労使協定方式」の場合 派遣社員の賃金及び賃金以外の待遇(派遣先の教育訓練及び給食施設、休憩室、更衣室を除く)が労使協定に基づき決定される旨
賃金決定に際し勘案する事項 • 職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験その他の就業の実態に関する事項を勘案してどのように賃金を決定するか 。

• 賃金テーブルと評価制度の説明

 なお、上記説明とは別に派遣社員から求められた場合、派遣社員に対し、派遣社員と比較対象労働者との間の待遇の相違の内容及び理由と均衡均等待遇に関し講ずべきこととされている事項を決定するに当たって考慮した事項を説明する義務があります。

 

(中宮 伸二郎/社会保険労務士法人ユアサイド 代表社員)

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