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2019年10月31日

中宮伸二郎社労士の「労務の心得」44・ 一般賃金が最低賃金を下回る場合

Q 労使協定方式の一般賃金(一般基本給・賞与等)が最低賃金を下回る場合、どのように取り扱えばよいでしょうか。

 一般賃金(一般基本給・賞与等)より、最低賃金が優先されます。基準0年の額を最低賃金に置き換え、1年目以降の額も最低賃金に能力・経験調整指数を乗じます。

例:北海道の最低賃金 861円 
  看護助手の基準値0年 913円(職業安定業務統計)
  北海道の地域指数92.0
  913円×92%≒840円

①最低賃金を考慮しない場合

0年 1年 2年 3年 5年 10年 20年
840円 975円 1067円 1108円 1166円 1374円 1714円

②最低賃金を考慮した場合

0年 1年 2年 3年 5年 10年 20年
861円 999円 1093円 1136円 1196円 1493円 1863円


nakamiya03.png 基準値0年(840円)が最低賃金(861円)を下回るため、861円とします。①の1年目以降は、最低賃金以上の額となりますが、そのまま使用せずに861円を基準値として各年次の能力・経験調整指数を乗じます。

 最低賃金は、その派遣先の事業の事業場の所在地を含む地域について決定された地域別最低賃金において定める最低賃金額を適用すると定められているため、派遣先の本社が北海道にあり、派遣就業場所が東京営業所の場合、東京都の最低賃金が適用されます。一方、一般賃金(一般基本給・賞与等)の地域指数は、事業所単位抵触日を定めた事業所所在地(雇用保険適用事業所)となるため、北海道本社のみが雇用保険適用事業所、東京営業所は雇用保険非該当となっている場合、一般賃金(一般基本給・賞与等)算出に用いる地域指数は北海道、適用される最低賃金は東京都となります。

 

(中宮 伸二郎/社会保険労務士法人ユアサイド 代表社員)

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