オトナが若者に向き合うためのヒント
著者・平賀 充記
アスコム、定価1400円+税
“若者は何を考えているのか分からない”とオトナ(上司・先輩)が疲弊してしまうくらいなら、彼らを理解して有効策を打てばいいのではないかと著者は提案する。
書籍タイトルこそ離職問題を象徴しているものの、本書のコンテンツボリュームは、SNSというムラ社会を分析し、若者の深層心理を探る試みにある。オトナは情報伝達の道具としてSNSを扱うのに対し、若者は常時接続がデフォルト(SNSの住人)だと捉え、彼らの投稿から「意味を追求」「ムダを排除」「炎上を回避」「他人と比較(自分を確かめる)」といった特徴を抽出している。
さらに「認めてほしいけれど皆の前で称賛されるのは困る」「“考えさせる”とか無駄だから、合理的に先に教えてほしい」といった職場の言動に重ねて類型化。オトナが若者に向き合う主な有効策を3点(①上から目線ではないフラット目線、②1人ひとりを意識した個人レベルの対応、③レスポンスの重要性)に集約し、心理的安全性を確保したうえで内発的動機を刺激するという王道の接し方をアドバイスしている。
(久島豊樹/HRM Magazine より)