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2019年6月20日

中宮伸二郎社労士の「労務の心得」25・適正な労働者代表の選出

Q 派遣社員用就業規則の意見聴取をする際の「労働者の過半数を代表する者」は、派遣社員から選出しなければならないのでしょうか。

nakamiya03.png 派遣社員用就業規則であっても派遣社員以外の者が労働者の過半数を代表する者になることができます。意見聴取は、事業所の労働者の過半数を代表する者に行うものであり、雇用区分別の代表者に対して行うものではありません。ただし、2020年4月1日施行の改正派遣法では、派遣社員就業規則の作成、変更は、派遣社員の過半数代表者の意見を聴くよう努めなければならないとされているため、事業所の過半数代表者が派遣社員ではない場合、派遣社員の過半数代表者の意見も聴取するよう努めなければなりません。

 労働者の過半数代表者は、管理監督者以外の者から民主的な方法で選出する必要があります。管理監督者とは、一般的には部長、工場長など、労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある人を指します。民主的な方法とは、労働者の過半数がその人の選任を支持していることが明確になる手続きであることが求められ、次の方法が例示されています。

  ①投票、挙手
  ②労働者の話し合い
  ③持ち回り決議

 過半数代表者であること、過半数代表者になろうとしたことを理由に解雇、賃金の減額、降格などの不利益な取り扱いをすることは禁止されています。

 また、労働基準法改正に伴い施行規則も改正(2019年4月1日施行)され、以下の2点が追加されます。これにより、選出の際に会社の意向に沿わない人物を排除することは許されません。

・労働者の過半数を代表する者は、使用者の意向に基づき選出された者ではないものとすること
・使用者は、労働者の過半数を代表する者がその事務を円滑に遂行することができるよう必要な配慮を行わなければならないものとすること


(中宮 伸二郎/社会保険労務士法人ユアサイド 代表社員)

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