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2019年5月 7日

【ブック&コラム】『管理ゼロで成果はあがる』

近未来の働き方を実践する会社

c190507.jpg著者・倉貫 義人
技術評論社、定価1580円+税

 

 本社オフィスを撤廃し、社員の半数が地方で在宅勤務する(全員フルタイム社員)プログラミング会社社長による組織運営実践報告だ。創業から8年・35人の組織ながら、管理職なし、上司なし、全員が自律的に考えて動くホラクラシーを実現している。

 この間、同社は、①生産的に、②自律的に、③独創的に、という3段階で進化してきたと振り返る。基本給一律、賞与山分け、休暇取得放題、雑談も飲み会もオンラインで……著者自身「フリーランスより自由に働ける」と語る通りのユルさだが、ルールで縛らない分“価値観”への執着は一貫している。中途採用では応募から入社まで1年をかけ、仕事を通じたワークレビューで価値観を伝え続けて信頼の構築を重ねていく。この間の負担は採用コストともいえるが、その分、入社後の管理コストは不要になると割り切る。

 サブスクリプションを取り入れた納期のない仕事、売り込み営業の必要がないビジネスモデルに行き着き、なおも進化し続ける同社からは、近未来の産業と新次元の働き方の姿が予感させられる。

(久島豊樹/HRM Magazine より)

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