人生100年時代の働き方は“思い”を基点に
著者・徳岡 晃一郎
東洋経済新報社、定価1800円+税
『ライフ・シフト』(リンダ・グラットン)の概念に沿って日本のサラリーマンのキャリアのあり方を説き起こした1冊。無自覚に会社任せでいると、50代で役職定年、60歳で定年、再雇用されて65歳。下降曲線のままそこで突然すべてが断たれる危機を指摘する。人生が100年であるなら80歳現役程度の認識が求められるとして、早い段階からキャリア形成を意識した準備行動を始めるべきだと述べている。
それは、定年後の再就職先探しや生活費の補填という次元ではなく、仕事を通じた社会参加を深く考える“思い”の探求が伴うとも補足。何をやるかを見極める原点も、現状を抜け出す力も“思い”が核になるとの構図を描き、実現に近づくためのステップを「ライフ・シフト・ナビ」と名付けて解説している。
活動の幅を広げ、不足する知識を学び、その気づきを他者の力も借りながら実践し、さらに広い世界に踏み出していくといった挑戦者たちの好循環事例も紹介。加えて企業人事部には、キャリアデザイン研修等による飛び立つ力の支援を提言している。
(久島豊樹/HRM Magazine より)