成果の出せる人材を見極める方法
著者・川上 真史/齋藤 亮三
弘文堂、定価1400円+税
生命保険会社勤務・加藤ちはる(27)の人事部配属から物語は始まる。他社から引き抜かれた新任人事課長・夏城雅史(38)は「コンピテンシー面接で採用を変える!」と宣言。章ごとにマンガと解説がセットになってコンピテンシーの本質概念と採用面接のポイントが理解できる構成でまとめられている。
従来型の「評価項目に沿って質問し、考えて答えてもらう」のとは違い、コンピテンシー面接では「行動事実そのものを思い出して語ってもらう」ことで、成果の生み出し方を確認する点に特徴があるという。その運用にはいくつかのコツがあり、例えば、場面を特定し深く詳しく工夫点を聞き、面接官の思い込み(スキーマ)を排除するために、優秀かどうかの判断は後回しにすべきだとアドバイスを挙げている。行動事実を、レベル1(言われたことだけやる)からレベル5(革命を起こせる)まで段階別に評価する判断基準も要注目点だ。
ハイスペック人材の自己PRを聞いて、優秀そうな印象で採用を決めるスタイルは全くの時代遅れだと気づかされる。
(久島豊樹/HRM Magazine より)