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2019年1月31日

中宮伸二郎社労士の「労務の心得」5・36協定新様式と派遣元36協定

Q 労基法改正に伴い36協定届の様式が変更されますが、新様式はいつから使用するのでしょうか。

nakamiya03.png 企業規模に応じて上限規制等が適用される日以降に起算日を迎える36協定から新様式を使用してください。時間外労働の上限規制に関する法改正は、企業ごとに開始時期が異なり、大企業は2019年4月1日以降、中小企業は2020年4月1日以降となります。

 

 

例:1月1日起算の36協定を締結している場合
大企業  2019年1月1日  改正前の協定→2019年12月31日まで有効
      2020年1月1日  改正法の協定→新様式を使用

中小企業 2019年1月1日  改正前の協定→2019年12月31日まで有効
      2020年1月1日  改正前の協定→2019年12月31日まで有効     
      2021年1月1日  改正法の協定→新様式を使用


 36協定届の新様式は、7種類あり、それぞれの目的に応じて使い分ける必要があります。

様式第9号 特別条項無し
様式第9号の2 特別条項有り
様式第9号の3 適用除外業務(新技術・新商品等の研究開発業務)
様式第9号の4 適用猶予(建設事業、自動車運転業務、医師、鹿児島・沖縄の製糖)
様式第9号の5 適用猶予で事業場外労働みなしを適用する場合
様式第9号の6 適用猶予で労使委員会により決議する場合
様式第9号の7 適用猶予で労働時間等設定改善委員会により決議する場合

 

 従来、1事業所で1つの36協定届を提出していましたが、新様式から1事業所で複数の協定届を提出しなければならないこともあります。例えば、1事業所内に研究開発部門と製造部門がある場合、製造部門は様式第9号の2(特別条項不要であれば9号)と様式9号の3の2種類を締結、届出なければなりません。

派遣元の36協定届

 派遣先の企業規模、事業・業務内容を踏まえて36協定を締結する必要があるとされていることから、派遣元が中小企業だとしても派遣先が大企業であれば2019年4月1日以降有効となる協定を締結する際には、新様式での届出が必要になります。また、施工管理者やCADオペレーターを建設会社に派遣する際に限度時間を超える時間外労働が見込まれるのであれば、適用猶予事業のための様式(9号の4)にて協定届を提出しなければなりません。

 結果として派遣元は、派遣先にあわせて中小企業用の旧様式、大企業用の新様式、研究開発、適用猶予事業・業務の4種類の36協定届が必要になることがあります。

(中宮 伸二郎/社会保険労務士法人ユアサイド 代表社員)

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