今年もハロウィンの10月31日が来た。日本人は、いつからあんなに仮装好きになったのだろうか。東京・渋谷に大挙して集まるコスプレーヤ―たちを見ると、昔のお祭りの「仮装行列」(この言葉、もはや死語か)を思い出す。
とはいえ、ここまで一大イベントになると、経済効果とやらもかなりの規模になるという。「今日は○○の日」でおなじみの日本記念日協会の試算では、昨年はコスチュームやグッズなどの売り上げが約1345億円にのぼり、バレンタインの約1340億円をタッチの差で抜いたそうだ。最大イベントのクリスマスの7000億円にはまだまだ及ばないが、急成長を遂げているのは間違いない。
お陰で、本来のおばけカボチャを持った子供たちが「Trick or Treat」(意訳「お菓子をくれないと、いたずらしちゃうぞ」)と言いながらご近所を回るほほえましい光景が、脇に追いやられてしまい、大人の変身願望を満たすイベントに“変身”しちゃった感がある。考え過ぎかな。
これに対して、「日本は仏教の国なのに」「平和ボケの象徴」「気味悪いゾンビに扮してなにが面白いのか」などなど、ご意見ご批判も多いが、年に1度の「大仮装大会」と思えば、目くじらを立てることもあるまい。いっそのこと、酒呑童子やら鵺(ぬえ)やら、伝統ある国産妖怪も仲間入りさせて和洋混在にすれば、もっと盛り上がるかも。 (俊)