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2017年9月19日

【書評&時事コラム】欧州からの訪日客

 残暑が残る9月上旬、仕事を終えて久々に新宿御苑(東京)を訪ねたら、外国人観光客の多さに驚いた。あちこちで英語や中国語が飛び交い、記念撮影している。以前、英語の対応が面倒で、外国人から料金を取らずにスル―パスさせていた職員のことが話題になったが、その気持ちもわからなくもない。

c170919.jpg 日本庭園の前で、老夫婦に写真撮影を頼まれた。聞けば、フィンランドからだという。10年ほど前に、私もかの国を訪ねたことがあり、「シベリウスの曲のように、素晴らしい国だ」と言うと、大そう喜んでいた。海外訪問先で、自分の国を訪れたり、多少なりとも知っている人に出会うと、わけもわからず嬉しくなるものだ。私もその1人だったから、ご夫婦の気持ちが素直に伝わってきた。

 観光庁によると、今年4~6月の1人あたり旅行費用が、長らく「爆買い」で群を抜いていた中国を抜き、英国とイタリアが1、2位になったという。消費行動も買い物中心の中国と異なり、宿泊、飲食、娯楽サービスなどの“コト消費”がもっぱらだそうだ。フィンランドのご夫婦と話してみて、確かにそう思った。「トーゴ―ビールを飲める店はありますか」と聞かれたのには参ったが(この話の歴史的経緯は、長くなるので省略)。

 欧州から「極東」の日本まではるばる観光に来る人たちは、まだ多数派ではないのだろう。しかし、それだけに事前に日本の知識を仕入れ、入念に準備して来る様子がうかがえた。結果的にだが、新宿御苑の一件で、私も日本の印象を良くした1人ではないか、とひそかに自画自賛している。もう少し、英語に磨きをかけなくちゃね。(俊)
 

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