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2017年7月25日

【書評&時事コラム】消え去る?「海の子」

 夏だ、海だ、サザンだぁ――。

 サザンオールスターズでなくとも、夏と海は切り離せない。日本海の海辺で生まれ育った私は、「われは海の子」を地で行った1人。この時期、臨海学校で押し寄せる“内陸”の子供たちを尻目に、地元の「海の子」として泳ぎ、潜り、ご飯以外の時間は一日中、海辺で過ごした。2学期の登校時は、表も裏もわからないほど真っ黒に日焼けし、「目があるから区別できるな」と先生に言われたものだった。

c170725.png その海だが、年々、海水浴場が減っているそうだ。日本観光振興協会の統計では、2000年代初めまで、全国の海水浴場は1300カ所を超えていたが、その後、徐々に減って昨年は1100カ所余りになったという。このままではジリ貧の一途のようだ。

 どうやら、原因は防波堤の増加にあるという。防波堤のコンクリートで砂浜の砂が循環しなくなり、川から流れてくる砂利が工事用に採取されて砂が不足しているという。さらに、夏レジャーの多様化も拍車を掛けている。美白ブームとかで、日焼けを嫌う女性らが真昼のビーチを敬遠して、夜のプールなどに流れているのだそうだ。

 かつて、前田美波里や夏目雅子らが小麦色の肌で一世を風靡した時代は、過去のものになりつつあるのか。そういえば、わが孫たちも「海に行きた~い」と言って来ない。親に聞いたら、「猛毒のクラゲやサカナがいるみたいだから、海は危ない。プールにしようと思っている」との回答でした。海も遠くなりにけり。(俊) 

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