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2017年5月 2日

【書評&時事コラム】もしミサイルが飛んで来たら

 先日、東京・丸の内で友人と一杯交わした時のこと。友人が「〇〇ビルは長方形だからまあ安全だが、△△ビルは1、2階が吹き抜けになっているから、危ないよな」とおっしゃる。確かに、「首都圏直下型地震が起これば、そんなこともあり得るなあ」とビルの夜景を眺めながら答えたら、「そうじゃない」と言う。

c170501.jpg 「北朝鮮のミサイルが東京に飛んで来たら、どこに逃げればいいか、来る道すがら考えていた」のだそうだ。北朝鮮のミサイルが、日本に飛んで来る?どんな爆弾を積んで?もしそれが核爆弾だったら、逃げるもヘチマもない。大昔に観た映画「渚にて」が不意に思い出された。

 そもそも、どういう事態になれば、ミサイルが飛んで来るのか。ゴジラではあるまいし、東京なんかよりも、米軍基地の方が先に狙われるのではないか。日本の迎撃態勢は大丈夫なのか。本当に日本海あたりで撃ち落とせるのか。わからないことだらけだ。新聞テレビをみても、そこまで具体的な報道は見当たらない。

 わずか70年余り前、日本の国民は米軍の無差別空襲に遭い、爆弾の恐怖を身に染みて感じたはずだが、「平和ボケ」した現代に、そんな切迫感は感じられない。どこか他人ごとだ。と思っていたら、ミサイル発射を受けて首都圏の地下鉄などは、一時、運転を見合わせたという。本気で対策を考えなければならない事態なのだろうか。とりあえず、地震対策が応用できそうだが、それでもなお、「本当かなあ?」と空を見上げてしまう。(俊)
 

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