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2015年11月14日

【この1冊】『社員の潜在能力を引き出す経営』

モチベーションの天井を突き破るヒント

c151114.jpg著者:太田 肇
中央経済社、定価1800円+税

 

 内外の経営環境が劇的に変化している現在、日本企業が旧来より得意としてきた高規格型(正確・迅速・均質)の人材では対応が難しいとの前提で、著者は、これからの人材活用の見通しを示す。

 従業員インタビューから「モチベーションの天井」という課題を見出し、いかに突き抜けるかを多角的に探っている。その過程では、濃すぎる人間関係が人を“サボりもせず頑張りもせず”という不活性状態に陥らせ、また、細かすぎる管理が人を萎縮させ本来の能力発揮を妨げていると分析。すでに壁を突破している各界のハイパフォーマーらの共通項から「内発的動機」「承認」「外へ向かう働き方」の3つを鍵に挙げ、モチベーションを青天井にし、個人もチームも従来以上の成果を発揮できるようにする具体策に踏み込んでいる。

 人事施策に換言すれば「組織フラット化」「社内FA」「ダイバーシティ」といった取り組みであり、さらに、サラリーマンの働き方は自営業に近づくとも述べ、副業、独立、場合によっては出戻りも肯定する人事方針への転換を示唆している。

(久島豊樹/HRM Magazine より)

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