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2015年10月17日

【この1冊】『人材育成担当者のための絶対に行動定着させる技術』

「研修のやりっ放し」から脱出する知恵

c151017.jpg著者:永谷 研一
ProFuture、定価1800円+税

 

 「行動変容」の第一人者である著者は、企業で実施される研修の多くが効果の確認にまで至らないのは、設計段階に問題があるからではないかと疑う。研修の目的は対象者が職場に戻り、学習成果を発揮して組織業績を高めるところにあるはずだが、現実には、研修当日の“盛り上がり”でよしとしてしまう誤解が見受けられると語っている。

 行動変容を目的に置くなら、研修の設計段階で対象者の上司や研修講師も関与すべきだとし、当日の実施内容、職場での経験学習、効果測定までの一貫性を求める。また、確実な行動変容を促すためにはPDCの後にF(フィードバック=振り返り)のプロセスが不可欠だと指摘。反省文や報告文とは異なる“内省の文書化”を継続的に実施する「PDCFA」という独自の運営サイクルを提案している。

 蓄積された膨大な研修データの分析を交え、対象者の行動を変え、習慣化させ、定着させるための研修の進め方を惜しみなく公開していて、 内容は非常に濃い。2度3度と読み固めて実務の改革にぜひ取り入れたいところ。

(久島豊樹/HRM Magazine より)

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