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2014年12月13日

【この1冊】『出世する人は人事評価を気にしない』

“選ばれるルール”の真実とは!?

c141212.jpg著者・平康 慶浩
日本経済新聞出版社、定価850円+税

 

 会社員の出世に着目したとき“選ばれるルール”には大きく2~3段階あると著者は見ている。

 第1段階は組織のパーツとして優秀かどうか。つまり正確性、知識量、迅速性といった目の前の仕事への対処スキルの高さであり、一定の習熟レベルに達すれば卒業方式で昇進できる。係長あるいは課長までのルール。2つ目の段階は、リーダーの資格があるかどうか。目的を押さえ、問題を構造化し、組織的に解決を図っていけるかどうか。部課長クラスに求められる力量であり、入学基準に達しない限り昇進はない。3つ目に経営層への選抜基準があるとすれば、もはや人事評価など参考程度にしかならないビジョン、パワー、事業戦略性が優先される。

 すなわち第2段階から先は、人事評価に忠実な働き方をしていても人材選抜から漏れる真実を本書は明らかにしてしまった。このルールを理解したうえで社内で闘うもよし、視野を社外に広げプロフェッショナルとして活躍を狙うもよし。キャリア観の形成やこれからの働き方にヒントを与えてくれる良書である。

(久島豊樹/HRM Magazine より)

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