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2014年8月30日

【この1冊】『世界が見た日本人 もっと自信を持っていい理由』

外国から見ると、日本人はかっこいい!?

c140830.jpg著者・布施 克彦、大賀 敏子
日経プレミアシリーズ、定価850円+税

 

 世界第2位の経済大国の座を中国に奪われた。少子化で世界に冠たる“老人大国”になる。年金・医療制度が崩壊し、活気のない国になる――。こんな調子で、国内メディアの取り上げる話題は日本の暗い将来ばかり。日本はもうダメなのか。

 とんでもない。日本ほど安全で、清潔で、他人に優しい国はない。礼儀正しく、秩序があり、人々は真面目。食べ物はヘルシーでおいしく、電車の時刻は秒単位の正確さ。そもそも、日本人が海外に出て行こうとしないのは、国内で用がほぼ足りているからではないか。そんな国は実は意外と少ないのだ。

 このように、本書はバブル崩壊と長期不況で自信を失った日本と日本人に、「もっと自信を持っていいんだよ」と呼び掛ける。著者はケニア・ナイロビの国連職員と世界を駆け回った大手商社OB。2人とも豊富な海外体験を通じて、世界から日本を見る確かな目を持っており、理屈でなく事実を並べているから説得力がある。

 確かに、海外旅行に出掛けるだけでも、日本の良さを実感する場面に出くわすことが多い。もちろん、その逆もあるが、もう「欧米流がすべて良い」という時代でなくなってきたことは確かだ。読んだ後、元気な気分になれる。 (のり)

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