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2014年8月23日

【この1冊】『会社が正論すぎて、働きたくなくなる』

「働きがい」が最優先される時代

c140823.jpg著者・細井 智彦
講談社、定価840円+税

 

 会社と個人をつなぐ立場の著者(転職コンサルタント)は法人もプロファイリング分析の対象になるとし「会社が病んでいる(うつ化している)」近年の傾向を本書に訴えている。

 象徴的なキーワードが「閉塞感」でありそれはポジティブ思考効果・効率イノベーションコンプライアンスといった「正論」で取り囲まれているがゆえにまともに抵抗すると個人の心が折れてしまうという複雑さも指摘する。“コストダウンもリストラも経営判断としては正しいと思うが私はそこで働く気がしない”という従業員の疲弊感が再生産される危機を読み取りそんな状態にあっては自分のこだわり(業績以外の価値基準)を大事にしたり息抜きの時間を作ったりするなど会社から距離を置く客観姿勢も有効だとアドバイスを語っている。

 一方会社側にはベテラン社員の経験を認め非効率の余地を残し個々の適性を活かしていく“働きがいを最大化する社風”を築いてはどうかと示唆する。正論で統制を図るだけが人事の仕事ではないと再認識を迫られそう。

(久島豊樹/HRM Magazine より)

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