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2014年2月 8日

【この1冊】『日本の会社40の弱点』

日本企業の「ヘンなところ」とは?

c140208.jpg著者・小平達也
文藝春秋、定価720円+税

 

 企業のグローバル展開を支援している著者は、様々な会社の外国人社員たちから日本の職場に対する違和感を聞かされるという。そこで、日系企業の現地社員・日本への出張者・出向者・留学就活生・新卒社員ほか外国人から漏れ聞かれた「日本企業のヘンなところ」を40のミニ事例に編集したのが本書だ。

 「部長に相談を持ちかけたら突然目を閉じて黙ってしまったので、これが瞑想かと思った」「腹を割って話すというので切腹するのかと焦った」などはコミカルだが、笑い話では済まない例もある。「お客様は神様ですとの訓示に宗教観の違いから現地社員らが一斉反発した」は深刻だ。また、マネジャー経験のない日本人が上司として駐在してきて能力不足を露呈しているとか、いちいち本社に確認をとって仕事が進まないといった人事課題への指摘、あるいは「個性的な人材を求めるといいながら画一的な採用方法だ」との批判も厳しい。

 素直に面白く読めてしまうのだが、「違い」を理解して「許容する文化」にまで高めようというのが著者の最終的な訴求のようだ。

(久島豊樹/HRM Magazine より)

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