50代で勝負するための覚悟と準備とは?
著者・佐々木 常夫
PHP研究所、定価800円+税
「ビジネスマンの勝負は50代」との前提で40代後半以降の会社員に向けて著者は経験ベースのアドバイスを綴っている。ライフスタイルが変化し、体力も限られる中年社員には、365日24時間集中力を発揮することなど無理だとし、効率よく成果を出していく知恵を求める。
「30代までがむしゃらに、40代以降はしなやかに」とも表現しているが、それは“要領の良さ”を訴求する安っぽさとは無縁だ。経験を磨き、無駄な動きをせず、計画的に最適な手を打てとの指摘は、成り行き・思いつきで仕事をしてきた方にはむしろ厳しく映るはずだ。「To doとTo beの違いがマネジャーとリーダーの違い」「逆境で腐るか、それを踏み台にして這い上がるかは本人次第」「楽観的な努力家を目指せ」など、生き方への示唆も深い。若手向けの啓発本があふれる今、40代以降の中間管理職のため指南書は説得力を伴って書ける方が少ないだけに貴重な存在だ。
「運命を引き受けてその中でがんばる」との著者ご自身のモットーは、全国の中年社員に共感されるだろう。
(久島豊樹/HRM Magazine より)